芸術大学の集積地として、数多くのアーティストを輩出してきた京都。それぞれの歩みが交わる場を新たに提供します。本プロジェクトでは、各大学出身の若手アーティストが大学の枠を越えて出会い、それぞれの「いま」を携えながら、同じ空間で制作に向き合います。
大学の枠を越え、京都の美術大学で学んだ若手アーティストたちがひとつの場に集います。参加するのは、京都市立芸術大学、京都芸術大学、京都精華大学、嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学(五十音順)の出身者たち。学びの場を離れ、表現と向き合う彼らの歩みをご覧ください。
作家たちは3カ月間、無償で提供されたアトリエに滞在し、制作に取り組みます。完成された作品だけでなく、制作の過程そのものも展示。ひとつの空間で、思考と手の動きが交差する様子をご覧いただけます。
展示は、2025年11月と2026年2月の二期に分けて開催され、各会期で異なる作家たちが参加します。それぞれの表現がひとつの場に現れます。ふたつの会期を通じて、多様な表現に触れていただけます。
制作を通して空間が本来持つ環境や特性を増幅し、捉え方を変化させることで新たな空間の在り方を検証する。
自然の強さ、儚さ、かっこよさを作品にしています。
私は線を引くことが好きです。具象絵画と抽象絵画で、私の中で線の役割に違いがあることを伝えたいです。
他者の視点を想像することの困難さ、自己の視点の不正確さを基に、実感のある描写とは何かを探究する。
部屋、窓などをモチーフとして、版画のシルクスクリーン技法を用いて絵画を作ることを試みています。
幼い頃から自分の気持ちを言葉で表すことが難しいと感じ、絵や写真といった言葉以外の表現方法を模索しています。
右目で清水寺を見ながら、左目で嵐山を見る。あるいは網戸を見ながら、外の空を見る作品を制作しています。
この世界で起こる身近な出来事を体感し、得た情報を自身が感じるまま布へ刻むように描いています。
建物の内と外をつなぐ境界に着目し、光が行き来する様子をモチーフに、レイヤーのように重なる空間を描く。
シルクスクリーン で平面作品を制作。インクをまだらにして刷るなど、モノタイプ的な手法を用いる。
写真や工業製品などの人工物を用い、「編む」行為を主軸に制作活動をおこなう。
写真・絵画・鏡を重ねた介入により、自己像の揺らぎと現実との境界を探る。
身の回りにあるありふれたものを描くのが好きです。日常を糸と色で編んでいます。
日常で見落としてしまうような存在や出来事を小さく描き、微視と巨視が共存する作品を制作しています。
クローナルイメージを繁殖させる研究者かつ繋ぎ手。セルフメンテナンスとして制作を行う。
様々なものが入り混じる現代社会の在り方を絵画に持ち込みたいという動機のもと、日本画を制作しています。
⼦どもの純粋さと残酷さの⽭盾を孕む要素に向き合い、その仕草を描くことで精神性や個性の表現を試みる。
制作行為は自己と他者の距離感を表現する手段であり、同時に自分自身を形成する。
目に見えない物が、存在していると感じる瞬間がある。その感覚を繊維にのせ、制作を通して確かめる。
選出された19名の若手アーティストに加え、TERRADA ART STUDIO 京都で日々制作に取り組む現役アーティストも参加。展示期間中は、それぞれがこの場所で育んできた表現を持ち寄り、同じ空間で作品を制作・発表します。
Unis in Unison 2025:
Kyoto Rising Artists Project
第1期:
2025年11月7日(金)~16日(日)
※11月14日(金)はご招待制
第2期:
2026年2月13日(金)~19日(木)
13:00~18:00(最終入場は17:30)
※会期中無休
無料
寺田倉庫株式会社
京都市立芸術大学/
京都芸術大学/
京都精華大学/
嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学
藤原羽田合同会社
「TERRADA ART STUDIO 京都」は、京都で制作活動を行うアーティストのためのアトリエ施設です。京都駅から徒歩圏内という好立地にあり、国内外からのアクセスにも優れています。施設内には、個室·オープンタイプの全31室の制作区画を備え、それぞれが自分のペースで制作に集中できる環境を整えています。共有スペースでは、入居作家同士の交流に加え、コレクターやアート関係者との出会いの機会も設けています。
京都市下京区下之町57–1
京都市立芸術大学 キャンパス内 A棟6F
寺田倉庫は、東京・天王洲を拠点に、美術品の保管を起点としたアートとの関わりを続けてきました。アーティストが安心して制作に取り組めるよう、スタジオの提供や作品の保管·輸送など、物理的な環境を整えること。作品が鑑賞者や社会と出会えるよう、展示や販売、発信の機会を提供すること。そして、都市のなかに、制作・発表・交流が循環する場を少しずつ築いていくこと。私たちは事業を通じて、アート作品、アーティストが社会と接続する環境を影ながら育ててきました。
そして今、新たな拠点となる京都においても、若手アーティストが活動を継続し、表現を社会とつなげていける仕組みづくりに取り組んでいます。芸術文化発信施設の運営、雇用の創出、作品の流通や販売の支援などを通じて、大学や地域との連携を深めながら、京都のアート市場の活性化に静かに関わっていきます。寺田倉庫は、若い表現が息づくための背景のひとつとして、寄り添いながらその歩みを支えていきたいと考えています。
寺田倉庫の公式サイトはこちら